音楽を聴いていて「このメロディ、なんだか忘れられないな」と思うとき、
その裏ではこっそりコードとメロディが駆け引きをしているかもしれません。
今回はそんな“音のやりとり”に耳をすませてみたいと思います。
ぴったり寄り添う安心感
たとえば、Cのコードの上に「ド・ミ・ソ」がそのまま乗っているようなメロディ。
これはもう、湯たんぽに足を突っ込んだときの安心感。
ああ、気持ちいい。落ち着く。…でも、たまにはそれだけじゃ物足りなくなることもあるかもしれません。
わざとズラすとちょっと面白い
たとえば、Cのコードの上に「ラ」の音。
「あれ?」って一瞬違和感。でも、次の音でスッと戻ってきたりすると、
それがちょっとした“くすぐり”になる。
メロディがコードにジャストで乗らずに、
少しズレたところを通る。
それだけで、物語が動き出す感じがするんです。
ほんの少しの「意地悪」がぐっとくる
コードが「ここだよ」って手を差し伸べてるのに、
メロディが「…ちょっとだけ寄り道してくるね」って言って、ふらっと遠回り。
でも最終的にはちゃんと帰ってくる。
この“すれ違い”があるからこそ、
「あれ、なんだかいいな」と感じる。
音たちはひそひそ話をしている
コードとメロディは、ただの背景と主役じゃありません。
きっと、お互いにひそひそとやりとりをしてるんです。
「ねえ、ちょっとこの音、入れてみようと思うんだけど」
「うん、じゃあ僕はこっちで支えるね」って。
そんな関係って、ちょっと素敵じゃないですか?
音楽って、ぴったり合っている場所もいいけれど、
ほんの少しのズレの中に、面白さや切なさが隠れていることがある。
メロディが気まぐれを起こしても、
コードはちゃんと受け止めてくれる。
そんな、小さな“音のいたずら”が好きなんです。
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