音楽って、肌で聴いてるのかもしれない
音楽を聴いていて、ふと「この音、なめらかだな」とか、「ちょっとざらついてるな」って思うことがある。
そんな感覚は、音そのものに“肌触り”があることを教えてくれる。
音は耳で聴くものだけど、心地いい音にはどこか、肌にふれているような感覚がある。
シルクみたいな音、木の表面みたいな音、水の中にいるような音。
そんな「触感」は、わたしたちが音楽に感じる安心感と、きっと深くつながっている。
安心感をくれるまるい音
たとえば、やさしく歌う声。
やわらかく響くベース。
空気をふくんだようなピアノの残響。
そういう音には、角がなくて、まるくて、あたたかい触れごこちがある。
まるで毛布にくるまれているような音。
包まれるような音。
そういう音に出会うと、聴いているわたしの呼吸も、ふっと静かになる。
音の「質感」が安心を生むというのは、きっとそういうことなんだと思う。
ひっかかりのある音も忘れられない
でもね、
完全にまるいだけの音って、ときどき物足りなく感じることがある。
ちょっとだけノイズが混じった音。
声の中の息づかいや、ギターの弦がこすれる感じ。
ささくれだった木の表面に手がふれるような、あの“ひっかかり”。
そういう音に出会うと、安心とはちがう、どこかクセになる気持ちが残る。
まるい音の中に、ほんの少しだけ混ざっている違和感。
それがあることで、わたしたちは音に「触れた」と実感できるのかもしれない。
まるいけど、ちょっとだけざらざらした音
安心できる音と、ちょっとだけ引っかかる音。
どちらか一方だけじゃなく、そのどちらもあるからこそ音に惹かれる。
たとえば指先でなでたとき、少しだけ手のひらに残る感触。
つるつるでもなく、ごつごつでもなく、ちょっとだけざらついてるくらいのもの。
そういう音の“肌触り”が、わたしの中に残って、何度も聴きたくなる。
音楽の中に、耳じゃなくて肌で感じる安心感。
そして、ちょっとだけ心に触れてくる引っかかり。
そんなバランスの中に、好きな音があるんだと思う。
あなたの好きな音の「肌触り」は、どんな感じかな。
コメントを残す