「この音、なんだか朝っぽい」
「夜の匂いがする気がする」
そんなふうに感じたこと、あるかもしれない。
音って、ただ鳴ってるだけなのに、その奥に“景色”とか“時間帯”をふわっと感じることがある。
その感じに深く関わってるのが、リバーブ。
いわゆる“残響”ってやつ。
でも、ただのエコーじゃないんだよね。音にリバーブが加わるだけで、まるで空間がふくらむような感じになる。
たとえば、全然リバーブがかかってないドラムは、目の前で鳴ってる感じがして、すごくリアル。
逆に、深めのリバーブをかけると、ふっと遠くに引き離されて、広い部屋で鳴ってるように感じる。
それだけじゃなくて、不思議なことに、時間帯まで感じられるときがある。
明るくてキラキラしたリバーブは、昼間の光みたいだし、
低くて長めのリバーブは、静かな夜の部屋にいるような感覚になる。
まるで音が、「今、どこで、いつ鳴ってるのか」まで伝えてくるような不思議さ。
わたしが好きなのは、ちょっと湿った、柔らかめのリバーブ。
雨上がりの午後とか、夕方の部屋みたいな感じ。
音そのものじゃなくて、その音が“どこから聴こえてくるか”を想像させてくれるような雰囲気が好きなんだ。
リバーブって、ちょっと意識して聴いてみると、
空気の広さ、温度、光の色まで、いろんなことを感じさせてくれる。
普段聴いてる音楽も、そんな耳で聴いてみると、見える景色が少しだけ変わってくるかもしれないよ。
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